【まだある!?テンバガー】日米コロナワクチン銘柄最新まとめ11選

猛威を振るうコロナウィルス。もう1年以上が経過しておりますが、収まる気配はありません。人々の自粛にも疲れが見え始め、日本でいえば緊急事態宣言もあまり効力をなさなくなってきています。そんな状況下で戦況を一気に変えてくれるであろうコロナワクチン。各国、各社がしのぎを削って開発に勤しんでいます。中には変位ウィルスにも対応時間が早く開発できるであろうワクチンの存在も。コロナワクチン接種率世界1位のイスラエルでは、2021年1月半ばの1日辺り8000人超の感染者から2021年4月22日時点で、120人前後と大幅に減っており、店内飲食やコンサート鑑賞なども徐々に解除され、平常をとり戻しつつあります。

本記事では、日本とアメリカのワクチン開発を行っている企業に目を向けて、その進捗状況や株価の動きを追っていきます。ワクチン開発に成功すればその需要度により飛躍的に業績は伸びます。中にはこの短期間で株価が約10倍以上になった銘柄もありました。(チャートは2021年4月28日時点のもの。株価の高低差はコロナウィルスが流行り始めた2020年12月からの最低安値に近い価格と最高高値に近い価格終値ベースで比べております。)

モデルナ(米国株)
モデルナ(Moderna)は米国のバイオ医薬品メーカー。mRNAを活用した新薬開発をしています。(コロナウイルスの周囲のトゲトゲの部分だけを、体の中で安全に大量に作る遺伝子です。)がんワクチンなども手掛けており、自社でワクチンを内製する工場も建設しました。
コロナウィルスワクチンの承認を得ており、アメリカを中心に接種が広がり、感染や発症を予防したとされる効果も報告されています。臨床実験では、約94%の発症予防効果が報告されています。
変異型ウイルスに対してはイギリス型変異株に対しても効果があるようですが、南アフリカ型やブラジル型に対しては効果が低いようです。
保管方法はファイザーと比べると比較的優位で容器が未開封の場合は2度から8度の冷蔵状態で約30日間、8度から25度では12時間保管できます。
日本では、武田薬品工業がコロナワクチン申請をし、承認は5月を目途としており、9月までに5000万回分(人数にして2500万人分)の供給を受ける契約を結んでいます。
株価の方は、2020年1月8日終値17.98ドルから最高値が付く、2021年2月8日終値185.98ドルまで上昇しており約10倍も伸びました。

 モデルナ(yahoofinance)

ファイザー(米国株)
ファイザーは米国大手医薬品メーカー。本社所在地はニューヨーク。
本剤はメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンとなります。保存する温度を原則、マイナス75度前後とし、最長14日間はマイナス20度前後でも保存できる。
1回目の接種後、通常3週間の間隔で2回目の接種を推奨。
日本政府はファイザーと2021年に1億4400万回の供給契約を結んでいます。6月までに少なくても全体の7割程度を確保する見通しです。
2020年11月9日、開発中の新型コロナウイルス・ワクチンのフェーズ3臨床試験について暫定結果を発表。被験者数万人に対し、90%以上の確率で感染を防ぐ効果が示されたと公表し、株高への好影響となりました。
米政府は2020年12月11日、ファイザーが開発する新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を承認したと発表しております。
日本国内では、厚生労働省が2021年2月14日、製造販売を特例承認。新型コロナのワクチンが承認されるのは、国内では初めて。2月17日に医療従事者への先行接種が始まっております。
ファイザーは2021年末までに最大13億回分のワクチンを世界で生産することを見込んでおり、ワクチンの1回分あたりの販売価格は19.50ドルで、この結果、同年のファイザーのワクチン売上高は約200億ドル以上になると予想しております。
株価は2020年3月20日終値28.49ドルから2020年12月8日41.85ドルまで上昇しており、約1.5倍伸びました。

ファイザー(yahoofinance)

ジョンソン&ジョンソン(米国株)
ジョンソン&ジョンソンは米国の医療・ヘルスケア企業。
ウイルスベクターワクチンを開発。
J&J社製のワクチンの開発では、アデノウイルスを使うという既存の技術が採用されている。新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の情報を、弱毒化したアデノウイルスを使って体内に入れることで、免疫が誘導される仕組み。
J&Jのワクチンは2~5度の冷蔵保存が可能で保管が簡単という利点、また接種は1度だけという特徴を持っています。
2021年1月29日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの最終治験の結果、症状を防ぐ効果が約66%あったとする結果を公表しております。
米食品医薬品局(FDA)は2021年2月27日、J&Jが開発する新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認。米国での承認はファイザー、モデルナのワクチンに続いて3例目で、初の1回接種となります。
2020年3月31日、コロナウイルスワクチンの開発・製造で米政府と約10億ドル規模の取り組みを開始すると発表。
4月までに1億本程度のワクチン生産、21年中に全世界向けに10億本程度を供給する計画となっています。
しかし、同社のワクチン接種を受けた6人が血栓症を発症した為、2021年4月14日米当局が米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製の新型コロナウイルスワクチンの接種を中断するよう勧告した。安全性に関するさらなる調査が完了するまで同ワクチンの使用を停止する処置がとられた。
株価では、2020年3月23日終値111.14ドルから2021年1月26日終値170.48ドルまで上昇。約1.5倍伸びました。

ジョンソン&ジョンソン(yahoofinance)

ノババックス(米国株)
ノババックスは、臨床段階の米国バイオ医薬品企業。
ノババックスは創業から33年を経ても、ワクチン開発で承認にこぎ着けたことがまだ一度もない。コロナワクチンで承認されれば創業初の偉業となる。
組換えタンパクワクチンとして、ノババックスのワクチンは、やや修正を加えた合成のスパイクタンパク質を体内に注入し、それに対して免疫が出来る仕組み。
競合他社のワクチンよりも利点がおそらく大きいと考えられており、初期段階のデータでは、同社ワクチンが無症状のコロナ感染を抑制、また予防効果が長期持続する可能性が示されています。
他にも、ノババックスのワクチンは超冷温で保存する必要がない為、冷凍施設を持たない病院への利点が大きいのが特徴です。
ワクチンは2-8度の冷蔵保存が可能で、2回の接種が必要。
2021年3月11日、英国で実施したワクチン候補の第3相試験で、有効性は96.4%との最終分析を発表しています。
米国での最終治験に入ったのは5社目となり、治験結果次第で2021年中に米当局の使用承認を得る可能性があり、株価上昇のトレンドが続いています。
2020年3月16日終値6.91ドルから2021年2月9日終値315.87ドルまで上昇。伸びはなんと1年間で約45倍になっています。

ノババックス(yahoofinance)

イノビオ・ファーマシューティカルズ(米国株)
イノビオ・ファーマシューティカルズは、米国のバイオ医薬品企業。
癌や感染症へのワクチンや免疫療法の開発に従事。
米国国防総省の資金支援を受けて第2、第3相臨床試験を実施中となります。
イノビオのワクチンは、「DNAワクチン」となります。
プラスミドDNAが細胞に取り込まれ、遺伝子から必要なタンパク質が細胞内で生産され、体は新型コロナウイルスに対して免疫を持つ仕組み。
イノビオが持つ、新型コロナワクチン以外の他候補薬での進捗が不発に終わる可能性が出てきており、また新型コロナワクチンの進捗に停滞が見られる為、承認時期によっては、先行する他社ワクチンの大きなシェアを崩せない可能性があるようです。
一方でアナリストが目標株価35ドルとし、イノビオが開発している新型ウイルス向けワクチンは差別化された特徴を持っており、安全性と長期間貯蔵可能な点はモデルナやファイザーのワクチンとは異なる部分があるとのことです。
株価は、2020年1月3日終値2.98ドルから2020年6月29日終値31.69ドルまで約10倍の伸びとなっております。

イノビオ・ファーマシューティカルズ(yahoofinance)

トランスレート・バイオ(米国株)
トランスレート・バイオは米国のバイオ医薬品企業。メッセンジャーRNA治療薬の開発に従事する治療薬会社である。
ワクチンの種類は、もちろんmRNAワクチンとなります。
現在、第一三共や塩野義製薬と並び第1、第2相臨床試験段階。
昨年12月、前臨床試験のデータが良好だった為、最短で2021年下半期に同ワクチンの承認を目指す方針を示していたが、
2021年2月に新型コロナウイルスのワクチン候補について「年内には準備できないだろう」との見方を示している。
「年内には準備できないだろうが、もし変異株との闘いが続くのであれば、後の段階になって一層役に立つ可能性がある」と述べ、これ以上の詳細は明らかにしていない状況です。
ただ、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を利用した新型コロナワクチンの成功は、この技術をワクチンだけでなく、他の疾患の治療法として可能性が大いにあり、この分野に資金と人材が流入している状況です。
トランスレート・バイオは、嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)に対する吸入型mRNA医薬品を開発している。承認を得る状況まで成功すれば、同mRNA治療薬を初めて市場に出す企業になるかもしれないとのことで、株価に大きく影響を与える可能性があります。
株価は、2020年1月13日終値7.64ドルから2021年2月8日終値34.33ドルまで約4.5倍伸びています。

トランスレート・バイオ(yahoofinance)

アンジェス(株) 4563
遺伝子医薬開発を行う日本の大学発創薬型バイオベンチャー。1999年12月大阪大医学部、森下竜一教授のもと創業。
プラスミドDNA製法を用いたワクチン。新型コロナウイルスの遺伝子をプラスミドに挿入し、このプラスミドを大腸菌で大量培養した後にDNAを抽出して製剤化する。無害化されたDNAワクチンを投与することで、新型コロナウイルスに対する免疫を作り、感染症の発症や重症化を防ぐことが可能となる。
3月10日、開発を進めている新型コロナウイルスDNAワクチンの第2/3相臨床試験における接種完了したことを発表した。関西および関東の8施設で500 症例の接種を予定通り完了。500症例の被験者に接種を行い、ワクチンの用法および用量における安全性と免疫原性の評価を目的として実施している。この後、数ヶ月間の経過観察期間を経て、安全性と免疫原性の評価を行う。
第3相臨床試験は、海外を含む感染が流行している地域も視野に入れ、1万~数万人規模を想定している。
大規模な第3相臨床試験を開始すべく、PMDAと協議を開始することになるが、症例数が1万人~数万人規模になり、先行承認されているワクチンが海外での臨床試験も実施していることから、同社においても国内だけでなく海外での臨床試験を進めていくことになると予想される。
だが、世界では米ファイザー製など実用化したワクチンの接種が広まっていることから、未承認のワクチンの治験参加者の確保が難しくなってきていることに加え、年内に大規模な治験を実施できる国が少なくなっていきているので、実用化時期も予定していた2021年中から2022年以降にずれ込む見通しとしている。
ワクチン製造はタカラバイオが請け負う予定で、補助金などを活用し、一気に生産体制の強化を図っている。
株価は、コロナショック前後の2020年2月28日終値388円から2020年6月26日2317円まで伸びており約6倍を付けた。

アンジェス(株)(yahoofinance)

塩野義製薬(株) 4507
医薬品、臨床検査薬・機器の研究、開発、製造、販売など行う日本国内の大手製薬企業。
組換えタンパクワクチンを採用。 ウイルスの蛋白質(たんぱくしつ)を遺伝子組み換え技術で作成し投与。抗原発現や精製に一定の開発期間を要する一方で、BEVS(バキュロウイルス)を活用したインフルエンザ予防ワクチンをはじめ、複数の製品がその効果と安全性を基に承認・実用化されている確立された技術です。
2020年12月に国内第1/2相臨床試験を開始。
複数用量の抗原タンパクおよびアジュバントの組み合わせからなる、200例以上の日本人成人を対象とした比較試験で、少人数での安全性・忍容性を確認、本ワクチンを3週間間隔で2回接種した際の安全性、忍容性ならびに免疫原性を、接種後1年間追跡評価、それらの経過や感染状況等を踏まえて、さらなる安全性確認のための追加試験ならびに第3相臨床試験の実施に。
世界の流行地域の数万人を対象にした治験に向けて準備を進めており、その予算は数百億円規模を見込む。
ところが、アンジェス同様世界では米ファイザー製など実用化したワクチンの接種が広まっていることから、未承認のワクチンの治験参加者の確保が難しくなり、年内に大規模な治験を実施できる国が少なくなっている。
開発と同時に国内工場を拡充し、年間3千万人分を供給できる生産体制の構築に取り組んでいる。大規模治験に向けて模索するが、米国では、コロナ禍の非常事態を考慮した緊急使用許可の仕組みで米ファイザー製などのワクチンが実用化されたことなどから、国内でも同様の枠組みの必要性を訴えている。
株価は、コロナショック後の2020年3月18日終値4401円から2020年6月22日7087円まで伸びており約1.6倍を付けた。

塩野義製薬(株)(yahoofinande)

第一三共(株) 4568
日本の大手製薬会社の一つ。感染症薬も強い。アストラゼネカ社ともがん領域提携している。
モデルナ社と同じく、「メッセンジャーRNA(mRNA)」でのコロナワクチンを開発中。
mRNAワクチンは、ウイルスのゲノム配列が分かれば短期間で開発できる特徴があり、ウイルスが変異してもゲノム情報があれば数週間以内にワクチンを改良できるとされている。また、独自技術を用いた材料を膜に使用し、接種後の炎症が起きにくくなることが期待できるという。
3月22日に新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を始めたと発表。日本人152人を対象として、安全性や有効性を確認する初期段階の治験を始めた。実用化は2022年以降となる見込みであるが、ワクチン2回接種などで適切な容量を探り、秋以降の結果を見てその後の段階に進む考え。
国内での感染が収まった場合は海外などでの治験も視野にいれているとのこと。
変異種にも対応しやすい国産のメッセンジャーRNAワクチンとして、
厚生労働省の助成金などを投じ、生産子会社の第一三共バイオテックでmRNAワクチンの製造体制を整備すし、原材料や部材は国内で可能な限り最大限調達するサプライチェーンを確立する。
海外で接種が始まっている米ファイザーや米モデルナのワクチンも、mRNA技術を採用。両ワクチンは、数万人規模の海外治験で、発症予防効果を示す有効率が95%前後を記録している。第一三共のワクチンも免疫応答のメカニズムは同じであることから、今後の治験で同等の効果が期待できる。
株価は、コロナショック後の2020年3月9日終値1898円から2020年11月24日3886円まで伸びており約2倍を付けた。(2020年9月に株式分割あり)

第一三共(株)(yahoofinance)

KMバイオロジクス(明治ホールディングス(株) 2269)
ヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿(けっしょう)分画製剤などを扱うバイオロジクス企業。明治ホールディングスの傘下。
不活化(ふかつか)ワクチンでの開発となる。
病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせた(不活化、殺菌)ものを原材料として作られる。自然感染や生ワクチンに比べて生み出される免疫力が弱いため、何回か追加接種が必要になりコロナワクチンは2回接種を想定。
インフルエンザ等で日本でも代表的なワクチン。実用例が多く、効果や副反応の知見が多い点がメリット。接種を受ける側の安心感にもつながる。
3月22日、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンの臨床試験(治験)を始めたと発表した。国産ワクチンの治験は4例目で、初期段階の治験として国内の20歳以上の健康な成人210人を対象に安全性と有効性を確かめる。良好な結果が確認されれば、年内にも数万人規模の最終治験に移る考え。同社の既存のプラットフォームを活用し、6カ月で3500万回分を生産する体制を2021年度内に整える方針。
変異型への対応や中長期的な流行を見据え、国産技術の確立を急ぐ。
量産化に向け、既に菊池研究所(菊池市)にあるワクチン原液製造設備の改造工事を進めている。
一方、同社は英製薬大手アストラゼネカが日本に供給するコロナワクチンの製剤化を受託しており、アストラゼネカから供給されるワクチン原液のバイアル充填(じゅうてん)や包装作業を担っている。
株価(明治ホールディングス)は、コロナショック後の2020年3月13日終値6350円から2020年8月14日終値8600円まで約1.3倍伸びた。

明治ホールディングス(株)(yahoofinance)

IDファーマ((株)アイロムグループ 2372)
(株)アイロムグループの100%の子会社
ベクター開発・製造において世界トップクラスの技術を有し、バイオ業界で高い評価を得ています。
国立感染症研究所と連携して新型コロナ向けワクチンの開発を進めています。
動物実験で、ワクチン接種により抗体の値が上昇したことを確認し、現在は、前臨床の段階で5月から臨床実験が予定されています。
コロナウイルスの遺伝情報をセンダイウイルスに載せて細胞の中へ運ぶタイプのワクチンを開発、免疫反応が起き抗体ができる。実際のウイルス感染に近い状態を再現するので、効果は高いと期待されている。
国内での治験開始に向け、医薬品などの製造・販売を承認する医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を既に始めている。実用は2~3年の期間をみている。
またアイロムグループは、新型コロナウイルスのワクチンを生産するための工場を、茨城県つくば市に新設すると発表。生産体制を早めに整える。
IDファーマの研究施設の敷地内に建設予定。今年5月に着工し、建設費は約30億円。年内の完成を目指している。
同株価(アイロムグループ)は、コロナショック後の2020年3月9日終値945円から2020年6月8日3365円まで伸びており約3.5倍を付けた。

(株)アイロムグループ(yahoofinance)

以上、米国と日本の企業に焦点をあてて解説しました。
現段階は以下になるかと思います。

コロナウィルスとの戦いが長引くにつれ、我慢の限界や慣れ等からどうしても行動を抑えきれない世界になってきているようです。そんな中のまさに頼みの綱ともいえるワクチン。変異株も脅威を増している中、安心安全コロナ前の世界を求めてそのキーコンテンツとなるかもしれません。まだまだ未知未熟の部分も多いですが、期間と研究を重ねるごとにその精度は増してくるでしょう。世界の英知に期待して私たちは投資も含めてできることをしていきましょう。

以上、日本とアメリカのコロナワクチン銘柄の株価の動きをまとめてみました。

<クレジット>
写真AC makotomoさん