コロナショックで打撃を受けたり、倒産したりした企業があれば逆にこれを機に業績が伸びた企業があります。ピンチをチャンスに。コロナショックではライフスタイルの変化が様々な分で見受けられました。それに上手く乗った企業や、はたまたライフスタイル自体を変えてしまった業種も存在しました。今回は10個の業種に絞って解説してみます。
目次
1.オンラインショップ業界
オンラインショップ業界は、インターネットを利用して商品やサービスを提供する業界です。消費者が自宅にいながら、24時間いつでも商品を購入できるという利便性があり、急速に拡大しています。また、コロナ禍による外出自粛やリモートワークの増加により、需要がさらに高まっています。オンラインショップ業界には、大手EC企業やブランドサイトなどの大手企業から、個人や小規模店舗が出店できるマーケットプレイスまで、様々な形態の企業が存在しています。大手EC企業では、アマゾン、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。これらの企業は、自社で商品を販売するだけでなく、他社の出店を受け入れてマーケットプレイスを提供することで、商品数を拡大しています。
2.オンラインコミュニケーション業界
オンラインコミュニケーション業界は、オンライン上でのコミュニケーションやコラボレーションを支援するためのソフトウェアやプラットフォームを提供する企業によって形成されています。この業界は、テレワークやリモートワークの普及に伴い、COVID-19パンデミックによる社会的距離の必要性に応じて拡大しました。
主なサービスとしては、ビデオ会議やオンラインチャット、プロジェクト管理、ファイル共有、タスク管理、グループウェアなどがあります。これらのツールは、リモートワークやテレワークを行う企業や個人のコミュニケーションやコラボレーションを可能にし、場所や時間に制限されない業務の遂行を支援することができます。
代表的な企業としては、ビデオ会議ツールのZoomやMicrosoft Teams、オンラインチャットのSlack、プロジェクト管理のTrello、ファイル共有のDropbox、タスク管理のAsana、グループウェアのGoogle Workspaceなどが挙げられます。
オンラインコミュニケーション業界は、今後もテレワークやリモートワークの拡大に伴い、需要が増加すると予想されています。また、これらのツールやプラットフォームをより使いやすく、より効果的にするための新しい技術や機能の開発も進んでいます。
3.配達サービス業界
配達サービス業界は、飲食店や小売店などからの注文に応じて、配達業務を行う業界です。主に飲食店や小売店でのオンライン注文の急増に伴い、需要が急増しています。配達サービス業界には、大手のデリバリーサービス企業や、個人配達員による個人事業主などがあります。
代表的なデリバリーサービス企業には、Uber Eats、出前館、menu、配達の宅急便などがあります。これらの企業は、飲食店や小売店からの注文を受け、専用の配達員が商品を配達します。一方、個人配達員による配達サービスでは、個人事業主が自分の車やバイクで配達を行い、Uber Eatsや出前館などのデリバリーサービス企業のプラットフォームを利用して注文を受けることができます。
コロナ禍においては、外出自粛により配達需要が急増し、配達サービス業界は好調に推移しています。また、デリバリーサービス企業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける飲食店の支援として、手数料の軽減や無料配達などの支援策を行うなど、積極的に支援活動を展開しています。
4.医療、介護業界
医療介護業界は、COVID-19のようなパンデミックの発生により、この業界は大きな変革を迎えました。
- 医療機関:COVID-19により、医療機関は過剰な負荷を抱えました。病院や診療所などの医療機関では、オンライン診療やテレヘルスの利用が広がっています。また、医療従事者に対する支援や医療備品の供給にも大きな需要がありました。
- データ分析企業:COVID-19の感染症対策において、感染拡大の予測や患者データの分析が必要となり、データ分析企業の需要が高まりました。
- 介護業界:高齢化社会の進展に伴い、介護業界は今後も伸びると予測されています。COVID-19の発生により、介護現場でも感染対策が求められ、テレケアや遠隔医療の需要も高まっています。
- バイオテクノロジー企業:COVID-19のワクチンや治療薬の開発に注目が集まり、バイオテクノロジー企業の株価が上昇しました。また、ウイルス検査キットや抗体検査キットの需要も高まりました。
これらの変化が、今後の医療産業に大きな影響を与えると考えられています。
5.ゲーム業界
コロナショックによる外出自粛や在宅勤務の増加に伴い、家で過ごす時間が増えたことが、ゲーム業界にとっては好機となりました。以下に、ゲーム業界がコロナショックで業績が伸びた理由を詳しく説明します。
- 家で過ごす時間が増加:コロナショックによる外出自粛や在宅勤務の増加により、家で過ごす時間が増えました。そのため、エンターテインメントとしてのゲームが注目され、需要が増加したと言えます。
- 新規プレイヤーが増加:自宅で過ごす時間が増えたことで、新規プレイヤーが増加したとされています。また、一度はゲームをやめた人々も再びゲームをプレイし始めたという報告もあります。
- ゲーム大会やイベントのオンライン化:コロナショックにより、ゲーム大会やイベントが中止になった場合には、オンライン上で代替イベントが行われるようになりました。その結果、オンラインゲームへの注目度が高まり、需要が増加したと言えます。
- ダウンロードゲームの増加:外出自粛により、インストアでの販売が困難になったため、ダウンロード販売が増加しました。ダウンロード販売は、店頭での販売と比較して販売手数料が少なく、利益率が高いというメリットがあります。
以上のように、コロナショックにより、ゲーム業界においては需要が増加し、業績が伸びた企業も多かったと言えます。
6.ストリーミング配信業界
ストリーミング配信業界は、コロナショックで大きな影響を受けた業界の1つです。一方で、自宅待機が増えたことで需要が急増したため、一部の企業は業績を伸ばすことができました。
まず、映画やテレビ番組、ドラマなどの配信を手がける動画配信サービス企業が好調でした。自宅で過ごす時間が長くなったことで、エンターテインメントコンテンツへの需要が高まり、映画やドラマなどのコンテンツの配信が増加しました。特に、NetflixやAmazon Prime Video、Disney+など、大手配信サービス企業は、新規加入者数が急増し、業績を伸ばすことができました。
また、ライブ配信やビデオチャットを手がける企業も好調でした。自宅待機が長引いたことで、リモートでのコミュニケーションや、オンラインでのイベントやライブ配信などが増加しました。例えば、ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオチャットツールを提供する企業は、需要が急増し、業績を伸ばすことができました。また、ライブ配信を手がける企業も、オンラインイベントやライブコンサートなどの需要が高まったことで、業績を伸ばすことができました。
しかし、一方で、映画やドラマの制作現場がコロナ禍で一時停止したことで、新しいコンテンツの制作が遅延したり、公開が延期されたりするなど、不確定要素も多かったです。また、ライブイベントやコンサートの中止・延期も多く、この分野に携わる企業は、業績が低下することがありました。
7.化粧品・健康食品業界
化粧品・健康食品業界は、コロナショックにより影響を受けた業界の一つですが、一方で需要が増加した製品もあります。
まず、手洗いやマスク着用による肌荒れや乾燥が問題になったため、保湿効果のあるスキンケア製品やリップクリームなどの需要が増加しました。また、自宅で過ごす時間が増えたことで、美容や健康に対する意識が高まり、健康食品やサプリメントの需要も増加しました。
一方で、実店舗の閉鎖や営業時間の短縮により、店頭販売が減少したことや、外出自粛により旅行やイベントなどの需要が減少したことで、化粧品・健康食品メーカーの業績に悪影響を与えたケースもあります。
ただし、化粧品・健康食品業界は、需要が定常的に存在する消費財の一つであり、今後も需要が継続すると予想されます。また、健康意識の高まりや、美容に関するSNSなどの影響により、若年層や男性層にも需要が拡大することが期待されています。
8.リモートワーク支援業界
コロナショックにより、多くの企業でリモートワークが導入され、その需要が急激に増加しました。そのため、リモートワーク支援サービスを提供する企業の業績が好調に推移する傾向が見られました。
具体的には、ビデオ会議ツールを提供するZoomや、リモートワーク環境を支援するSlack、テレワークに必要なセキュリティソフトウェアを提供するソフォス、クラウドベースのリモートアクセスソリューションを提供するCitrix Systemsなどの企業が好調でした。
また、リモートワークにより、オンライン教育・eラーニング分野も急成長しており、オンライン学習プラットフォームのUdemyやCoursera、オンライン英会話サービスのVIPKIDやitalkiなどの企業が好調でした。
これらの企業は、コロナショックによりリモートワークが急速に普及したことで、需要が増加し、その需要に応える形で事業を展開することで、業績が伸びました。
9.薬局を展開する企業
薬局は、コロナショックの影響により業績が伸びたとされています。
- マスクや消毒液の需要増加 新型コロナウイルス感染症の流行により、マスクや消毒液の需要が急増しました。そのため、薬局ではこれらの商品が品薄状態になり、多くの人々が手に入れることができなくなりました。この状況を受けて、薬局ではマスクや消毒液などの備蓄や仕入れを増やすことで需要に対応し、売上げが伸びたと考えられます。
- 新規顧客の増加 新型コロナウイルス感染症の流行により、薬局に対する関心が高まりました。特に、マスクや消毒液を求める人々が薬局に訪れることが増え、薬局での買い物が初めての人々も増加しました。これにより、薬局は新たな顧客層を獲得することができ、売上げの増加につながったと考えられます。
- テレワークや外出自粛による需要増加 新型コロナウイルス感染症の流行により、多くの企業や自治体でテレワークや外出自粛の取り組みが進められました。これにより、薬局での買い物が増える傾向がありました。また、外出自粛により健康維持のために自宅で運動する人々が増えたことから、栄養補助食品やサプリメントなどの需要が増加し、薬局の売上げにつながったと考えられます。
以上のように、薬局は新型コロナウイルス感染症の影響により、需要が増加し、業績が伸びたとされています。
10.医療器具メーカー
医療器具メーカーは、コロナショックによって需要が増加したため、業績が伸びた企業も多くありました。
まず、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、医療現場での需要が高まりました。例えば、呼吸器や人工呼吸器、酸素供給装置などの需要が急増したため、これらの製品を製造するメーカーは需要に応えるために生産量を増やし、業績を伸ばしました。
また、パンデミックの拡大により、各国で医療機関の改修や新設が進められたため、医療機器メーカーの需要が高まりました。例えば、病院の増築や改装に必要な医療機器や設備、消毒用品、感染対策用品などの需要が急増したため、これらの製品を製造するメーカーは業績を伸ばしました。
一方で、一部の医療器具メーカーは、製造拠点の海外移転や物流の遅延などにより、生産がストップしたり、製品の供給が滞ったりするなどの影響も受けている企業もあります。
10業種あげてみました。
様々ところにビジネスチャンスはあるものです。コロナを機にいろいろなものが変化しました。コロナ前にあった世界にはもう戻れないくらい人々の価値観は変化したかもしれません。ここで起こったテクノロジーの進化(変化)が今後はスタンダードになっていくことでしょう。
以上、コロナショックで業績が上がった業種まとめでした。
<クレジット>
写真AC こぬぬこさん