コロナショックで経済ダメージを負った業種をまとめてみました。未曾有の危機で社会で大きな混乱を呼び起こし、人々のパニックと共に様々な業種や企業の業績に影響を与えました。業績悪化や倒産に追い込まれた企業も多くその爪痕を深く残しました。しかしその中で新たなビジネスチャンスを見つけた企業も少なくありません。今回は10個の業種に絞って解説してみます。
コロナショックで打撃を受けた業種
1.宿泊業
宿泊業は、旅行や出張などで宿泊が必要な人々に宿泊施設を提供するサービス業のことを指します。一般的には、ホテル、旅館、民宿などが代表的な宿泊施設として知られています。
コロナショック以前は、訪日外国人観光客の増加やオリンピック開催などにより、宿泊業界は好調でした。しかし、コロナショックにより観光需要が減少したことで、宿泊業界にも影響が出ました。
宿泊業界では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、観光客や出張客の減少に加え、外出自粛や移動制限による需要減少が顕著でした。また、宿泊施設の感染症対策に必要なコストも増加し、業績の悪化に拍車をかけました。
このような状況下で、多くの宿泊施設が倒産や閉店に追い込まれました。さらに、長期化するコロナ禍により、復活が見込めない宿泊施設も出てきています。ただし、一方で、国内旅行や地方観光など、新たな需要も生まれつつあるという見方もあります。
2.飲食店業
飲食店業もコロナショックによって深刻な打撃を受けた業種の1つです。その詳細をまとめてみました。
- 売り上げの大幅減少:コロナショックにより、人々の外出自粛や外食自粛が広がり、飲食店の売り上げは大幅に減少しました。
- 営業時間の制限:政府による営業時間の制限や緊急事態宣言により、多くの飲食店は営業時間を短縮するなどの対応を余儀なくされました。
- テイクアウトやデリバリーの需要増加:一方で、外出自粛が進む中、テイクアウトやデリバリーの需要が増加しました。しかし、それでも店舗での飲食に比べて売り上げは大幅に低下するため、多くの飲食店は赤字経営が続いています。
- コスト削減の限界:多くの飲食店は、人件費や家賃などのコスト削減を図ってきましたが、その限界に達したという声もあります。また、支援策の不足も問題視されています。
- 倒産や閉店の増加:コロナショックによって、多くの飲食店が倒産や閉店を余儀なくされています。特に、狭い店舗や混雑する居酒屋など、密を避けるために自粛が求められた飲食店は影響を受けやすかったとされています。
以上のように、飲食店業界はコロナショックによって大きな影響を受けました。今後は、感染リスクを最小限に抑えつつ、テイクアウトやデリバリーなどの新しい形態の需要に応えることが求められています。
3.観光業
観光業は、観光客が訪れることで成り立つ業種であり、旅館・ホテル、レストラン・飲食店、交通機関、観光名所やイベントなどが含まれます。観光業は、国内外からの観光客の数や消費額が経済活動に与える影響が大きく、日本のGDPにも重要な貢献をしています。
しかし、コロナショックにより、観光業は大きな打撃を受けました。海外旅行の減少や、国内旅行の自粛などにより、ホテルや旅館、飲食店、観光名所などには多大な影響が出ました。特に、海外からの観光客が減少したことで、観光業に依存する地域や企業は深刻な経営状況に陥り、倒産や廃業に追い込まれる場合もありました。
また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光地の閉鎖やイベントの中止も影響を与えました。観光業は、多くの人々の雇用を支えている業種でもあり、コロナショックによる打撃は、観光業に従事する人々にも大きな影響を与えました。
4.製造業
製造業は、製品や部品の製造を主な業務とする産業の総称で、多様な製品を生産しています。コロナショックによって製造業にも影響が及び、業績悪化や生産体制の変化などを余儀なくされました。
具体的には、以下のような影響があったとされています。
- 需要の減少 製造業の多くは、自動車、家電、航空機、建設資材などの需要が中心ですが、コロナショックによって需要が減少したことで、受注量が減少したり、在庫が過剰になったりするなどの影響が出ました。
- 生産体制の変化 感染症拡大防止のため、工場の操業を制限したり、従業員の出勤を制限するなどの措置がとられたことで、生産体制に大きな変化が生じました。また、物流の混乱によって、部品や資材の調達にも影響が出ました。
- 海外生産拠点の問題 製造業の多くは、海外に生産拠点を持っていますが、コロナショックによって海外での生産体制にも影響が出ました。生産拠点がある国の政策や規制の変化、物流の混乱、従業員の感染などが問題となり、生産体制が乱れたり、製品の納期が遅れたりするなどの影響が出ました。
- 人材確保の問題 コロナショックによって、人材不足が深刻化した製造業もあります。特に、製造業は長時間労働が多いため、従業員の健康管理や、労働環境の改善が求められるようになっています。
- テクノロジーの活用 コロナショックによって、テクノロジーの活用が進むようになりました。リモートワークやIoT、AIなどを活用して、製品の生産性や品質の向上を目指す企業が増えました。
5.小売業
小売業は、商品やサービスを一般消費者に直接販売する業種であり、コロナショックの影響を受けた業種の一つです。
- 閉店や営業時間の短縮 コロナショックの影響で、多くの小売業者が閉店や営業時間の短縮を余儀なくされました。これは、消費者の外出自粛や観光客の減少などが影響したためです。
- オンライン販売の拡大 一方、コロナショックはオンラインショッピングの需要を増加させました。多くの小売業者が、オンライン販売を強化することで、店舗での売上が減少した分をカバーしようとしました。
- 食料品小売業が比較的安定 コロナショックで、食料品小売業は比較的安定した業績を維持することができました。これは、消費者が食料品を必要とするため、需要が減少しなかったためです。
- コンビニエンスストアの需要増加 コロナショックで、コンビニエンスストアの需要が増加しました。これは、外食産業の減少によって、コンビニエンスストアでの食品や飲料品の購入が増えたためです。
- ファッション小売業に影響 一方で、ファッション小売業は、コロナショックの影響を大きく受けました。これは、外出自粛によってファッション商品の需要が減少したことや、生産・配送に支障が出たことが原因です。
6.不動産業
不動産業界において、コロナショックの影響を受けた理由はいくつかあります。
- 商業施設の閉鎖:コロナウイルス感染拡大防止のために百貨店やショッピングモールなどの商業施設が臨時休業や営業時間の短縮を行ったことにより、テナントからの賃料収入が減少し、不動産業者の収益に影響を与えました。
- オフィス需要の低迷:テレワークなどにより、オフィス需要が減少したことにより、オフィスビルの入居率が下がり、空室が増加しました。
- 家賃の滞納や解約:失業者が増加し、家賃の滞納や契約解除が増えたことで、家賃収入の減少につながりました。
- 投資需要の減少:不動産投資による収益を期待する投資家が減少したことで、不動産市場の活況が失われたことが影響しました。
不動産業は、住宅をはじめとする各種不動産の売買仲介、賃貸管理業務、企業や店舗のテナント仲介、不動産に関する調査・鑑定など多岐にわたる業務を行います。
不動産業界は、景気変動に大きく左右されます。景気が良いときは、住宅需要が高まり、不動産の価格が上昇する傾向にあります。一方、景気が悪いときは、住宅需要が減少し、不動産価格の下落や需要の低迷が見られる傾向にあります。
また、不動産業界は長期的な視点で見ると、人口減少や高齢化、テクノロジーの進化など、様々な要因によって変化する可能性があります。最近では、コロナ禍によって都市部から郊外への移住が加速し、郊外の不動産価格の上昇が見られるなど、新たなトレンドが生まれています。
7.教育・学習支援業
教育・学習支援業は、学校や大学などの教育機関、学習塾、予備校、教育関連の出版社や情報サービス会社など、様々な分野にまたがる業種です。主に、子どもから大人までの学習ニーズに応えるために、様々な形態の教育や学習支援を提供することを目的としています。
コロナショック以前から、eラーニングやオンライン教育が注目されていましたが、コロナ禍により一層注目されるようになりました。オンライン授業や遠隔学習の需要が急増したことで、オンライン教育関連の企業や、リモート学習支援サービスを提供する企業が伸びています。
また、教育・学習支援業は、海外留学を希望する学生や語学学校も含まれています。コロナ禍により海外留学の需要が減少したことで、語学学校や留学関連企業は厳しい状況に置かれていますが、一方で国内留学の需要が増加するなど、需要のシフトも見られます。
今後も、eラーニングやオンライン教育の需要が高まると予想され、AIを活用した学習支援や、オンライン授業に適した教材の開発など、新たな取り組みが求められていくでしょう。
8.美容業
コロナショックにより、美容業界にも大きな影響が出ました。一時期、美容室やエステサロンなどが閉鎖され、営業自粛を余儀なくされたため、多くの店舗が売り上げ減少や経営の維持が困難に陥りました。しかし、その後の需要回復や新たな需要の創出により、再び業績が回復するケースもありました。
美容業界は、人々が美しく健康的であることに価値を置く社会において、需要が高い業界です。最近では、健康的な美容、自然派化粧品などに対する需要が増加しており、それに対応する形で、従来の美容サービスに加え、健康面にフォーカスしたサービスの提供などが進んでいます。また、オンラインでの美容コンサルティングや商品販売など、新たなビジネスモデルも登場しています。
今後も、美容業界は常に需要があり、新しいビジネスモデルやサービスの提供が期待される業界の一つとして、注目されています。
9.自動車販売業
自動車販売業界は、景気の変動に大きく左右される業界であり、景気の低迷によって販売台数が低下し、業界全体の売上が減少することがあります。また、近年では、新型コロナウイルス感染症の影響によって、自動車の需要が減少し、販売業界にも打撃を与えています。
一方で、自動車販売業界は、新しい技術やサービスの開発によって変化し続けています。近年では、自動運転車の開発や、カーシェアリングサービスの普及など、新しいビジネスモデルが登場しています。また、電気自動車の需要の拡大も見込まれており、自動車販売業界もこれらの変化に対応していく必要があります。
10.建設業
建設業界は、新型コロナウイルスの感染拡大により、建設現場での感染リスクが高まったため、工事の中断や延期が相次いだことが主な理由です。また、緊急事態宣言や外出自粛要請により、需要の減少や物流の混乱が起こり、建設資材や機器の調達にも支障が生じました。このような影響により、建設業界全体の売上高や利益が減少したり、業績が悪化したりした企業もありました。
まとめ
10業種あげてみました。
政府による支援もありましたが、その中でやはり活路を見出さなければいけない状況でした。新しいビジネス形態がたくさん生まれ、その時代にあったものが支持されてサービス化していきます。つぶれた企業、生まれた企業、そして生まれ変わった企業が沢山ありましたね。
以上、コロナショックで打撃(業績、倒産)を受けた業種でした。
<クレジット>
写真AC ねんど130さん