※前回は2020年11月10日にまとめています。あれから3年経ちましたので比較してみましょう。前回とは被らない銘柄で挙げております。
前回はコロナショックで上場来高値を付けた銘柄10選の最新版を書いたので、今回は上場来安値バージョンの最新版を書きます。さて、コロナショックで大きな打撃を被った業界や企業は多数あります。代表的なものを挙げますと
- 航空業界:航空需要の大幅な減少により、航空会社や航空機メーカーなどが大きなダメージを受けました。日本国内でも、全日本空輸(9202)や日本航空(9201)などが業績悪化や大幅な減収を発表しています。
- 観光業界:観光需要の減少により、ホテルや旅行関連企業などが打撃を受けました。日本国内でも、JTB(9700)やHIS(9603)などが業績悪化を発表しています。
- 商業施設業界:外出自粛の影響により、商業施設や百貨店などが大幅な売り上げ減少に直面しました。日本国内でも、伊勢丹(3099)や三越伊勢丹ホールディングス(3097)などが業績悪化を報告しています。
- 製造業界:生産拠点の停止や需要の減少により、製造業界も打撃を受けました。日本国内でも、トヨタ自動車(7203)や本田技研工業(7267)などが大幅な減収を発表しています。
- 不動産業界:オフィスビルや商業施設の需要の減少により、不動産業界も打撃を受けました。日本国内でも、三菱地所(8802)や野村不動産(8801)などが業績悪化を報告しています。
以上のように、コロナショックにより多くの企業が業績悪化を余儀なくされました。
ここからはさらに詳しく10銘柄を見ていこうと思います。
(2023年3月時点となります。)
目次
銘柄10選(最新版)
1.日本郵政株式会社 (6178)
日本郵政株式会社は、コロナショックで減少した郵便物や荷物の量による業績の悪化が影響して、株価が下落し、上場来安値を付けました。コロナ禍によって在宅勤務が増加し、オンラインショッピングの需要が高まった一方で、ビジネス用郵便物や企業間取引の減少によって、郵便物や荷物の量が減少しました。このため、日本郵政株式会社の業績が悪化し、株価が下落したと考えられます。
2.(株)ジーフット(2686)
(株)ジーフットは、主に靴やバッグなどのファッションアイテムを販売している企業です。コロナショックでは、外出自粛の影響により実店舗での販売が減少し、オンラインショップの売上増加による対応が必要となりました。しかし、オンラインショップのインフラ整備に追われ、投資家からは収益性への懸念が出たことなどが要因として挙げられます。このため、市場全体の下落と合わせて(株)ジーフットの株価も下落し、コロナショックで市場最安値を付けたと考えられます。
3.日医工(株)(4541)
日医工(株)は、コロナショック期間中に医療機器メーカーとしての業績が減速したことが原因とされています。COVID-19パンデミックの拡大に伴い、需要が急増したマスクや消毒液などの製造や医療機器の需要も増加したものの、日医工が主力とする輸液ポンプの需要は減少傾向にありました。また、当時の市場環境が不安定であったことや、企業業績不振による投資家の売りによって株価が下落したことも影響しています。※尚、医薬品の不適正製造が明らかになり上場廃止予定
4.(株)サマンサタバサジャパンリミテッド(7829)
(株)サマンサタバサジャパンリミテッドは、ファッションブランド「Samantha Thavasa」を展開しており、ファッション小売業に分類されます。新型コロナウイルス感染拡大により、消費者の外出自粛や需要減少が起きたことが、同社の業績への影響につながったと考えられます。また、緊急事態宣言などの影響により、店舗の営業時間や営業日数の制限もあったことが、同社の業績に悪影響を与えたとも考えられます。これらの要因が、同社株価の急落につながったとされています。
5.(株)はてな(3930)
「はてなブログ」を運営している。新型コロナウィルスの外出自粛等によりインターネット広告市場が拡大から売り上げ増を見込むものの、「はてなブログ」「はてなブックマーク」などの機能開発・改善に向けた投資がかさみ、人材への成長投資や人材獲得投資なども継続し、利益を圧迫している。
6.アンジェス(株)(4563)
大阪大医学部、森下竜一教授創業の創薬ベンチャー。遺伝子治療薬を核に核酸医薬など開発。新型コロナウィルス感染症のDNAワクチンの開発にいち早く名乗りを上げ期待をされてきたが、開発を中止。その発表をうけて株価も急落した。
7.(株)CAICA DIGITAL(2315)
ITサービス事業、仮想通貨事業などを行う。事業は堅調に推移するも、安定しない仮想通貨に影響を受ける。コロナショックによる暴落によるダメージに加え最近ではFTXの経営破綻なども追い打ちをかける仮想通貨市場が不安定なことも市場心理にマイナスを与え2022年10月期決算は、増収ながら損失幅が拡大した。
8.(株)ファンデリー(3137)
(株)ファンデリーは、生活習慣病患者や予備軍向け等に健康食を宅配するサービスなどを展開している。コロナショックの際は、外出自粛からその期待が高まったものの、医療機関からの新規顧客が減少し、ECサイト「ミールタイム」の運営などを手掛けるMFD事業が落ち込んだ。
9.(株)SANKO MARKETING FOODS(2762)
居酒屋や焼き肉を展開。現在水産業にも力を入れている。新型コロナウィルスの影響で外出自粛+最も厳しい目を向けられた居酒屋業界、同社が展開する居酒屋「金の蔵」の客足も遠のき、不採算店の整理として大量閉店をした。もともとコロナ以前から業績が振るわなかったがさらに悪化した。
10.(株)メタプラネット(3350)
旧:レッドプラネットジャパン。ホテル事業を展開していたが、新型コロナウィルスの感染拡大から客足が遠のき、運営コスト等の問題もあり、次々に営業終了。また、タイのホテル事業を手放すこととなり、債務超過その後EVO FUNDによるTOBが入り子会社化。
まとめ
前回記事とは被らない形で挙げてみました。
日本と世界に大打撃を与えた新型コロナウィルスの感染拡大。多くの人が感染し、多くの企業が被害を被りました。
世界はコロナショックから抜け出そうとしていますが、生活様式はコロナ前と違い、がらりと変わったもの。今迄から変化したもの、多様にありますが、これから徐々に回復していってほしいものです。
以上、コロナショックで上場来安値を付けた銘柄10選(最新版)でした。
<クレジット>
紺色らいおんさん