ついにインバウンド解禁!「特需期待の15銘柄」も紹介

首相が訪日観光客受け入れ表明直後、早くも急騰のソースネクスト・ラオックス。

コロナ禍の訪日客25万人(2021年)
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コロナ前の訪日客3188万人(2019年)
観光客全面受け入れに向けて、期待が高まりますね!!

今回は、「インバウンド消費の恩恵のある銘柄・業種は何があるの?」をテーマに調べてみました。

令和4年6月10日以降、日本政府は外国人観光客の受け入れを再開。
当面は青区分(6月時点で約100か国弱)の国、地域からの添乗員同行のパッケージツアーに限定とのことですが、その結果を見て、本格的な再開につなげていく方針です。

6月1日より1日あたりの入国者数の上限を1万人から2万人に増やし、この枠内で外国人観光客を受け入れることになり、空港での検疫措置も大幅に緩和となります。

コロナ発生前での訪日客は2013年から7年連続で増え続け、2019年には3188万人に達しました。消費総額は、4兆8113億円にも上り、インバウンド消費は日本経済に大きな恩恵をもたらしていました。
コロナパンデミック後の2020年には約9割減の412万人。翌2021年にはさらに約9割減の25万人にまで減少しました。
ですので、この経済効果が回復するのは大きなインパクトとなります。

現在の円安も追い風になる可能性もあります。
ドルベースにて、日本の物価が安く感じられ、その分日本での土産物や飲食店などの消費に回る可能性があります。

外国人観光客における日本国内での消費活動をインバウンド消費、これにより恩恵を受ける銘柄のことをインバウンド銘柄と言います。
コロナショックで影響を受けたインバウンド銘柄ですが、旅行関連や航空や鉄道、ホテル、小売りや飲食店などがあげられます。
2015年頃は「爆買い」と呼ばれる中国人観光客による大量の買い物が話題になりましたが、現在は極端な買い物はあまり見かけません。モノ消費からコト消費や体験型消費へと経済効果も変化しているようで、インバウンド消費の恩恵を受ける業種も拡大してきています。

インバウンドの注目銘柄は?

インバウンドで影響を受ける銘柄をできるだけ業種被りが無いように15種ピックアップしてみました。
(チャートは2022年6月29日時点のものとなります。)

1.寿スピリッツ(株)【2222】ブランド菓子

菓子大手。「ルタオ」など、土産やギフト用軸に地域限定菓子製販会社多数。
人流の回復が、直接的に土産の需要を押し上げるインバウンド銘柄の代表例となります。
2023年3月期での営業利益、前期比3.6倍になる51億6000万円を計画。
国内でのインバウンド観光の復活を視野に東京駅を中心に積極出店を続けています。

寿スピリッツ(株)(yahoofinance)


2.ANAホールディングス(株)【9202】航空業

航空会社での国内線、国際線ともに首位。外国人観光客の受け入れで必須になる航空会社。政府の外国人観光客の受け入れに素直に反応する形で、直近の高値水準を切り上げています。
コロナ禍前、もともと日本旅行は人気が高い。また円安も重なって今は絶好のチャンス。1日当たり入国者数の上限緩和/撤廃などプラスニュースが続けば、株価は一段高となる可能性あり。

ANAホールディングス(株)(yahoofinance)


3.東日本旅客鉄道(株)(JR東日本)【9020】鉄道

鉄道最大手。首都圏・東日本の不動産賃貸や駅ナカ物販事業も行う。
国内での移動において最も手軽な手段の1つが鉄道。新幹線の長距離移動から近距離路線においてもインバウンド景気の恩恵を全て受ける事が強み。
コロナ後のインバウンド回復を見据えて、「えきねっと」での訪日外国人向けの機能を拡張や、台湾訪日旅行者向け情報サイト「JR TIMES」を開設など、プロモーション活動への積極的な投資は進めてきている。

東日本旅客鉄道(株)(yahoofinance)

4.(株)アドベンチャー【6030】旅行予約サイト

格安航空券予約サイト「スカイチケット」運営、国内が主力でホテル等も扱う。
インバウンド需要の増加に伴い、18ヶ国語でのサービスの提供を開始するなど、総合的な予約のプラットホームを目指し、サービス範囲を拡大中。
旅行関連アプリ「skyticket」は、iOS・Androidで累計1700万ダウンロードを達成している。(2021年11月1日集計時点)

(株)アドベンチャー(yahoofinance)

5.(株)サンリオ【8136】テーマパーク

「ハローキティ」等キャラクター商品の企画・販売、ライセンス事業。テーマパークの運営。
コロナ前からインバウンドへの対応を強化。インバウンド旅行者の個人旅行化(FIT化)が進む中、旅先体験プラットフォーム、KLOOK(クルック)を導入。
便利で気軽に予約できる為、世界各国からのバランスよい旅客誘致に成功している。中国本土からの団体客だけでなく、欧米豪マーケットへの開拓も進んでいます。
入国制限の緩和による、テーマパーク事業の回復、またキャラクター商品の展開に大きな期待ができます。

(株)サンリオ(yahoofinance)

6.(株)共立メンテナンス【9616】ホテル業

寮事業とホテル事業の2本柱。ビジネスホテル「ドーミーイン」とリゾートホテルを全国展開。
寮事業のノウハウから続く”我が家のような寛ぎ(くつろぎ)”を備えたホテルチェーン。和風プレミアムホテル「御宿(おんやど) 野乃(のの)」などは外国人観光客の人気が高く、インバウンドに期待が出来ます。
インバウンド観光の回復を見据え、和風プレミアムブランド「野乃」の出店加速・ブランド化を図っている。

(株)共立メンテナンス(yahoofinance)

7.ソースネクスト(株)【4344】翻訳機

PC用ソフトが中心。ウイルス対策はシェア上位。自動通訳機「ポケトーク」が主力。
自動通訳機を扱うことから、インバウンド関連銘柄の1つになります。
世界70言語に対応し、機械に話しかけると、外国語に翻訳してくれるAI通訳機となります。JR東日本、タクシー、駅直結百貨店等での実績も多数。
岸田首相が訪日観光客受け入れ表明後に、早くも急騰。「ポケトーク」をスマートフォンでも使えるようになり、更なるシェア拡大に期待が出来ます。

ソースネクスト(株)(yahoofinance)

8.(株)北の達人コーポレーション【2930】化粧品

化粧品や健康食品のネット通販。ヒアルロン酸化粧品や目元クリームが主力。
日本の化粧品は品質の高さから外国人観光客に人気が高い。その為、化粧品株も代表的なインバウンド関連銘柄となります。
オリジナルブランド「北の快適工房」は、品質に満足して何度も使ってもらえる「実用商品」。リピートしやすい特徴も持っています。
また化粧品は、円安とも相性が良く、円安時は、まとめ買いや家族/友人用などの爆買いに繋がりやすい。

(株)北の達人コーポレーション(yahoofinance)

9.(株)オープンドア【3926】旅行比較

格安旅行商品等を網羅した比較サイト「トラベルコ」が柱。若い女性の利用多い。
強みは、業界最多クラスの旅行サイトを比較対象しているため最安値が見つけやすいこと。
岸田首相の観光支援策「県民割」や、「GoToトラベル」の発言などで、好材料となり株価を押し上げる形となっています。
入国者数の上限をさらに引き上げる方向のニュースとなるとさらに株価上昇の期待ができます。
主力サービスの「トラベルコ」は、コロナ禍でも将来の旅行需要の回復を見据え、利便性向上のための積極的なシステム開発を行っている。

(株)オープンドア(yahoofinance)

10.(株)三越伊勢丹ホールディングス【3099】百貨店

百貨店首位。新宿伊勢丹、日本橋三越は全国屈指の売上高となります。
コロナ禍でインバウンドによる売上がほぼ消失、売上に大きな影響となったが、22年3月期通期では、経費コントロール、不動産売却などにより黒字化しています。
2023年度3月期の業績予想でも、コロナ禍の影響によるインバウンド減少を想定としている。なので入国制限の緩和が進むことは、同社にとってはポジティブなニュースとなります。
コロナ禍以前には、大型免税店など訪日外国人観光客の買い物需要を積極的に取り込んでいる為、業績予想からの大幅な売上増に繋がる可能性もあります。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(yahoofinance)

11.ラオックス(株)【8202】家電量販店

日本の大手総合免税店兼家電量販店。現在は家電製品だけではなく理美容品、化粧品、民芸品、服飾など、取扱商品は多岐にわたる。
訪日外国人向けのインバウンドの先駆者。会長の羅怡文氏が「爆買い」で流行語大賞受賞したことでも注目を集めた。同会長のもと中国企業の傘下のため中国向けのイメージが強くインバウンド銘柄としても有名。

ラオックス(株)(yahoofinance)

12.(株)ぐるなび【2440】飲食サイト運営

グルメサイト運営。飲食店等の経営に関わる各種業務支援サービスの提供その他関連する事業を展開。
ぐるなびインバウンド大作戦を立ち上げ飲食店をトータルサポート、飲食店向けにインバウンド消費特別セミナーを行うなどインバウンド戦略に向け積極的。
LIVE JAPAN PERFECT GUIDE(訪日外国人向け観光情報サービス)にて全エリアに共通参画。

(株)ぐるなび(yahoofinance)

13.(株)マツキヨココカラ&カンパニー【3088】ドラッグストア

ドラッグストアなどのグループ会社の管理・統轄。PBや化粧品、医薬品に強み。
売り上げの一部はインバウンド消費の影響を受けるため、インバウンドの恩恵を受ける銘柄としても有名。
2021年10月にココカラファインとの経営統合を果たし統合シナジー効果で利益の最大化を目指す。マツモトキヨシは国内におけるインバウンドの対応などを活かして、アジアでも店舗展開をしている。ノウハウの逆輸入でも応用を利かせることもできる。

(株)マツキヨココカラ&カンパニー(yahoofinance)

14.(株)コメ兵【2780】ブランド品の中古買取及び販売店

日本最大級のリサイクルショップ(コメ兵、KOMEHYO)を運営。中古ブランド品首位。
インバウンド消費の高まりとともに業績を伸ばしたことによりインバウンド銘柄にも数えられる。コロナパンデミックの影響によりインバウンド需要の低下とともに同社の業績も低迷していたが、増収増益で乗り越えてきた。インバウンド全盛期の業績を超えつつある状態からのインバウンド復活に期待が膨らむ。

(株)コメ兵ホールディングス(yahoofinance)

15.カシオ計算機(株)【6952】電子機器時計やカメラ

電卓、電子辞書、電子楽器、時計などを扱う日本の電機メーカー。
訪日外国人観光客から人気を集めた腕時計を扱うメーカーもインバウンドに数えられる。
コロナ化におけるインバウンド消費の消失と店頭へ出向かなくなった顧客の増加で市場も衰退していった。しかしオンライン販売の強化や富裕層の消費がブランド志向に向いたためその市場も回復しつつある。そこへ追い風のインバウンド消費の復活が重なれば売上増に繋がる可能性あり。

カシオ計算機(株)(yahoofinance)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

決め手となるポイントはインバウンドだけでなく円安の恩恵を受ける銘柄をチョイスすればより成果を上げることができる可能性が高まるのではないでしょうか。
さらにコロナ前とコロナ後の人々の行動の変化も考慮にいれると良いかもしれません。

インバウンド × 円安 × アフターコロナ 
がポイントですね!!

いきなり4兆円が戻るわけではなく、徐々に回復していく形になるかと思います。ですので、中長期的な視点で考えると、インバウンド銘柄は儲けやすいタイミングかもしれません。

以上、インバウンド消費とその恩恵を受ける銘柄をピックアップしてみました。

<クレジット>
写真AC acworksさん
写真AC TAKASANshotさん