NFTとは、いったい何?
仮想通貨の次のバブルとも言われています。
今回は、NFTの仕組みから現状の動きまで徹底的に調べてみました。
テンバガーが生まれるかも!?しれない注目銘柄11選も具体的に調べてみました。
こちらの記事を読むと、NFTの今後の可能性が見えてくるかもしれません。
1 NFTとは
NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とはビットコインなどに代表される仮想通貨でも応用されているブロックチェーン技術の代替不可能なトークンのことを言います。
代替不可能なトークンとは唯一無二の「一点物」を証明できるトークンのことです。
分かりやすくいうとデジタルデータの画像はコピーできてしまいますが、NFTでは、オリジナルのものを証明できることになります。(現実でいうと模倣品の多い絵画などで本物の印をつけられ、コピーされてもどれが本物かわかる形になります。)
現在ではデジタルデータはコピー・改ざんが容易なため、海賊版や違法コピーなどが出回りデジタルデータに価値を見出しづらくなっていますが、それを偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータにすることで、デジタルデータに資産価値を持たせることができるようになります。
ビットコインなどの暗号資産は代替性があります。暗号通貨は「〇〇円分の資産価値」として他の暗号資産や現金と交換できる代替可能なトークンになります。
ビットコインの場合は、Aさんの持っている1ビットコインとBさんの持っている1ビットコインは同じ価値としてみることができますが、
NFTでは、例えば野球ボールでも、通常のボールとイチローの記念のホームランボールとでは価値が違うように、同じように見えても全く価値の違うものとして扱うことができます。(データに付随する作成年月日や識別情報等のメタ情報を改ざんが困難なブロックチェーン上で明示します。)
殆どのNFTは発行されてから複数のマーケットプレイスやウォレット上で確認や利用ができるようになります。
イーサリアム(ETH)のブロックチェーンの「ERC721規格」での仕様共通規格で定められているため、絵画であったり楽曲であったりしても鑑定書の書式が一定に決まっている状態です。
また「ERC721規格」で発行されている限り、どのサービス上のNFTであれ他のサービス内でも取り扱うことが可能になります。
2 NFTオークション
実例を見ていきましょう。
2021年3月TitterのCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が打った最初のツイートのNFTがおよそ291万ドル(約3億円)の価値で落札されました。
テスラのイーロン・マスク氏が出品したNFTについて歌った楽曲のデジタル所有権には1億円以上の値が付きました。(出品は取り下げた様子)
またイーロン・マスク氏の妻でアーティストのGrimes(グライムス)氏が出品したアート作品群にはおよそ600万ドル(約6億円強)で落札されました。
さらにデジタルアーティスト・Beeple(本名:マイク・ヴィンケルマン)氏によるデジタルアート作品(Everydays – The First 5000 Days)はなんと約75億円で落札されている。
日本でもVRアーティストのせきぐちあいみ氏のNFTアートは約1300万円で落札されました。
ブランドだとグッチや他日本ですとPerfumeなど
現在続々とアーティストや有名人などがNFTへの出品をしており、過熱感も出始めています。
3 リアル作品と違うメリット
NFTには付加機能をデータ自体に持たせることができます。
代表的なものでいくと手数料もその一つとなります。
通常リアルでは絵画販売の場合一度売ってしまえば終わりですが、NFTの場合は転々流通の際に購入代金の一部を収集するプログラムを作品そのものに付与することができます。
リアル作品とは異なるインセンティブを獲得する仕組みを組み込めるのもNFTならではと言えます。
ゲーム業界では、他ゲームのキャラクターやアイテムが使えるようになります。
マーケットプレイスでキャラクターやアイテムの売買が可能になるので、1点物のキャラクターやアイテムの売買での収益を得たり、そのキャラクターやアイテムを他ゲームでも使用することができるようになります。
NFTの特徴を活かしたブロックチェーンゲームが増えることにより、他ゲームでも利用できる場ができてきます。
今までにはない新しいゲーム感覚ですね。
オークションやゲームのアイテム売買などで新しい市場が開拓されつつあります。
4 注意点(デメリット)
デメリットとしてはデータ部分においてはコピーが可能ということです。
鑑定部分はブロックチェーン技術においてコピー不可でもそのほかの部分は今までと同じく、コピーされてしまいます。
音楽でいえば、音源をコピーできてしまうので、その流出を防ぐことは難しい形になります。
よってコレクション的価値の方が高い性質を理解しておく必要があります。
また投機熱によって投機目的で市場に参加するトレーダーも増えるので必要以上に高い値段がついたりしますので、価値の見定めには気をつけることが必要になるでしょう。
利用価値の持続性にも注意が必要でゲーム内アイテムの例でいうと場合によってはNFT化されたときにブロックチェーン上にあるのはアイテムのアドレスやメタデータのみとなるので、イラストやシステム環境はゲーム内にあるケースがあり、ゲームのサービス停止とともに実質該当アイテムが使えなくなる可能性もあることにも留意したほうがよい場合もあります。
5 マーケットと市場
代表的なものをピックアップしております。NFTアートオークション等も含めると結構な数のマーケットプレイスが存在しています。
Coincheck NFT https://coincheck.com/ja/nft
日本では、Coincheck(コインチェック)が、Coincheck NFTとして国内初となるユーザー同士でNFTと暗号資産を交換取引できるマーケットプレイスがあります。
現在はゲーム分野においてのみですが、今後はアートやスポーツ分野にも拡大していく予定とのこと。
Opensea(オープンシー) https://opensea.io/?locale=ja
2017年12月に創業されたNFTマーケットプレイス。主にイーサリアム(ETH)を利用して、ブロックチェーンゲームのアイテムやキャラクター、トレーディングカードの取引ができます。取引できるアイテム数や取引数の多さより世界最大のマーケットプレイスになるかと思います。
Miime(ミーム) https://miime.io/ja
国産のNFTマーケットプレイスです。ゲームアイテム、トレーディングカード等の取引ができます。決済はイーサリアム(ETH)または日本円でのクレジットカード決済でも可能となっております。
Nifty Gateway(ニフティ ゲートウェイ) https://niftygateway.com/
アメリカ拠点のNFTマーケットプレイス。特徴としてはNFTを発行できるのがトップクリエイターかセレブリティに限定している点。クレジットカード決済を使って法定通貨でNFTを購入できるのも特徴。
Rarible(ラリブル) https://rarible.com/
OpenSea同様、Raribleでもイーサリアム(ETH)のNFT標準であるERC721とERC1155に準拠したNFTを出品、購入、作成できます。取引額は及ばないもののユーザ数はOpenSeaを上回る勢い。独自のトークンも配布しています。
6 NFTの今後について
一時期の仮想通貨と同じく、少し過熱感があるNFT市場ですが、可能性は大きくあるといっていいでしょう。
ゲーム分野ではすでに新しい市場を構築しています。
今後は不動産や会員権といった分野でも活躍することでしょう。
ネットのデジタル不動産などゲーム分野でその片鱗をみることができます。
また、これも仮想通貨と同様、必要以上の価格の跳ね上がりや一部のICOの如く詐欺案件も生じてきますので、取り扱いには一定以上の注意が必要になるでしょう。
ですが、今後色々な産業のデジタル化が進むにつれ、さらに注目を浴びその形もどんどん進化していく新しい分野になっていくでしょう。
7 NFT関連銘柄紹介
これから期待が高まるNFT関連銘柄を紹介します。仮想通貨関連の企業からゲーム業界、音楽業界、証券業界など幅広い業種が今後参戦してきます。盛り上がりを見せるNFT、少し先を見据えて仕込んでおくのも面白いです。(チャートは2021年6月16日時点のもの)
7.1 マネックスグループ(株) 8698
ネット証券大手。香港、米、豪でも展開。子会社に仮想通貨運営のコインチェックを持つ。
コインチェックは2020年8月、NFTを暗号資産と交換できるNFTマーケットプレイス事業化の検討を開始し、国内外でいち早く展開している。
2020年9月シンガポールのEnjinとNFTマーケットプレイス事業における連携開始。
2021年2月NFTマーケットプレイス「miime」(ミーム)を運営するメタップスアルファの全株式を取得し、完全子会社化したことを発表している。
デジタル資産「NFT」の取引提供を2021年03月24日から開始する国内では初めての企業。
ブロックチェーン上のデジタルアイテムであるNFTをコインチェックで取扱う暗号資産と簡単に交換できるマーケットプレイス「CoincheckNFT(β版)」の提供を開始。まずは、日本最大級のブロックチェーンゲーム「CryptoSpells(クリプトスペルズ)」および全世界4,000万DLを達成した「TheSandbox(ザ・サンドボックス)」で利用可能なNFTの取扱いを開始し、今後はゲームのみならず、アートやスポーツなど幅広い分野に拡大していく予定。
7.2 (株)スクウェア・エニックス・ホールディングス 9684
エニックスとスクウェアが合併。「ドラクエ」「FF」軸にコンテンツ多面展開。
スクウェア・エニックスがブロックチェーン技術を用いたアプリケーション開発を行うdouble jump.tokyo(ダブルジャンプトーキョー)とNFTコンテンツ開発での協業。
2021年3月ブロックチェーン技術を活用したNFTデジタルシールを2021年夏に販売を発表。同社初となるNFTデジタルシールは、「ミリオンアーサー」シリーズで展開予定。
2021年5月に、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、その戦略の1つとしてNFTの領域に対する積極的な進出を行うことで、
全体として売上高最大5000億円(2021年3月期実績比 50%増)を目指している。
7.3 (株)カプコン 9697
家庭用ゲームソフト開発大手。「モンスターハンター」「バイオハザード」など人気作品多数。
人気格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズのキャラクターがデザインされたNFTが2021年2月18日に発売された。
ストリートファイターは、1987年にアーケードゲームとして登場の人気作。今回新たに、ブロックチェーン上で収集可能なカードという形で登場となる。
初回のカードシリーズでは、262種類のトレーディングカードが流通し、希少性を生み出すシステムも備わっている。
価格は、10枚のカードが入ったスタンダードパックは9.99ドル(約1100円)となる。
NFTの領域での良い成果が出れば、人気作品多数を持つ同社においてはメリットが大きい形となる。
7.4 Shinwa Wise Holdings(株) 2437
美術品の公開オークションの企画・運営の最大手。日本の近代美術を中心とし、2千万円以上の高額落札作品を得意として扱っています。
3月17日、同社が取り扱うアート作品をNFT化する販売事業を開始すると発表。
同社は、生成したNFTと、ブロックチェーン上に記録されたアート作品をセットで販売する形となる。
今後、デジタルアート・デジタルコンテンツをNFT化して流通させるなど、新事業領域を更に広げていく予定です。
7.5 (株)メルカリ 4385
フリマアプリ国内首位。スマホ決済「メルペイ」事業、米国フリマ事業等、展開。
2021年4月28日、暗号資産やブロックチェーン事業を扱う子会社メルコイン(mercoin)を設立。狙うは「NFT」での流通革命となる。
メルカリには約1900万のアクティブユーザーがおり、NFTを活用することによって新たなデジタルコンテンツ、サービス、所有権などを流通させることによりメルカリの拡張を目指している。
ブロックチェーンの技術を取り組むことで、NFT等、これまでのモノ・お金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形を創出していく予定。
7.6 マーチャント・バンカーズ(株) 3121
賃貸不動産や国内外企業へ投資するマーチャントバンキング事業が柱。
2021年3月に、お宝グッズのNFT化・販売プラットフォーム運営事業開始を発表。
同社子会社MBKブロックチェーン株式会社は、個人のコレクターが所蔵する世界唯一、あるいは希少性の高いお宝グッズをNFT化、
売買するプラットフォーム(NFTバンカーズ)を2021年4月に開始した。
NFT化するお宝グッズは、映画やアニメ、歴史ものの価値の高いお宝グッズ数約1,000点をコクレターより提供を受けることが決定している。
7.7 (株)アエリア 3758
スマホ向けゲームを展開。データセンター事業やアフィリエイト広告も。
同社の連結子会社である株式会社サクラゲートにより、
世界初・音楽専門の NFT マーケットプレイス『The NFT Records』を全世界に向けてスタートする。
アーティスト・レコードレーベルが保有する楽曲をNFT化し世界中に販売する仕組み。
例えば1,000枚のNFTアルバムが発売された場合、それを買えるのは 1,000人のみ。その後そのNFTそのものが偽造されることはありません。
そのため、好きなアーティストのNFTを購入することで、限定感や、さらには同じ仲間とともに喜びを分かち合うという楽しみ方も可能になる。
希少性や需要により、より高い価値にて売買を行うことも出来る。
7.8 GMOインターネット(株) 9449
上場子会社9社持つ総合ネットグループ。サーバーや金融強い。暗号資産(仮想通貨)事業も。
2021年4月NFTを活用した事業に参入することを決定。
今後同社は、NFTプラットフォームの開発を進め、真正性と安全性の高いデジタルコンテンツの決済・流通を実現し、出品・購入のためのマーケットプレイス「アダム byGMO」を通じてコンテンツ流通革命を支援する予定。
デジタルアートや音楽など希少性の高いコンテンツを用意する他にも、ウォレットの提供も行う。
新サービスではこれまでの「暗号資産の交換事業」「マイニング事業」で開発したブロックチェーン技術やそのノウハウを活用するとしている。
7.9 エイベックス(株) 7860
ダンス系音楽で成長。ライブ、イベントなど非CD分野を強化。アニメ製作や音楽・映像配信も。
2021年4月、NFT事業に本格参入すると発表。
エイベックス傘下のエイベックス・テクノロジーズが、NFTを使ったサービス「A trust」(エートラスト)を提供する。
正規のIPホルダーが保有するデジタルコンテンツの著作権等の情報を一元管理する次世代型著作権流通システム「AssetBank(アセットバンク)」の試験運用を2021年4月に開始。
将来的に、この仕組みを様々なIPを展開する事業者が利用できるようにし、「A trust」を利用したデジタルコンテンツの販売ショップを「Shopify」で簡単に構築することが可能。これにより、販売ショップで法定通貨による決済が可能になり、簡単にデジタルコンテンツを購入できるようになります。
7.10 (株)CAICA 2315
銀行や保険、暗号資産交換所など金融向け柱のSI。子会社にeワラント証券。
2021年3月にNFTの発行、流通が可能なNFTプラットフォームの販売を開始。
6月には子会社のCAICAテクノロジーズが、「crowd ART」(クラウドアート)の開発完了を発表。
1口1万円からアート作品のコレクションができる小口会員権プラットフォームとなります。
7.11 (株)Link-U 4446
独自サーバーでコンテンツ配信サービス展開。漫画アプリに強く小学館「マンガワン」運用が柱。
Link-Uは、コインチェック株式会社と、日本初のIEO(Initial Exchange Offering)の実現に向け共同プロジェクトを発足。
またエンタメ特化ブロックチェーン「パレット (Palette) 」に参加する企業となる。
パレットは、NFTを利用したコンテンツ流通に最適化されたブロックチェーンネットワークでその他、出版社をはじめ様々なコンテンツホルダーと複数プロジェクトを準備している状況です。
8 まとめ
今後も益々盛り上がりを見せるデジタルコンテンツ。ブロックチェーンは今までのリアルの仕組みをデジタルに置き換えることができる可能性を示唆しています。私たちの生活もどんどんデジタルが入り込んできています。今後は生活と切り離せないものになるかもしれません。むしろリアルが置き換わる可能性さえもあります。そこに食い込んでくる企業はどこか、新しいライフスタイルの提案。少し未来への投資になりますね。以上、NFTの仕組みから現状の動き、関連株式銘柄までを挙げて解説してみました。
<クレジット>
mybearsさん